飲み干す遺書

起動せぬ real lpc の荒野にスズメが止まっているスズメは何かに気づき胸を反らせながら激しく鳴いたかと思うと 曲線を描いて宙を舞った音響は地べたにへばりついた君の胸元へ届き 目で追うスズメの群れが遥か遠方に消えていくのが分かる空の彼方から遠雷 私…

季節外れの人事異動

コーヒーのこぼれた染みは 暗号を解く鍵にはならない ここから見渡せるもの全てに 名前を書いておけばよかった私の異常な心理とは裏腹に 空にはぽっかりと 雲が浮かんでいる 娘の書いた雲のようかと思えば あっという間に 沸き起こる 冬の入道雲 2匹の鳥は羽…

赤いタンバリン

ベッドの脇におかれていた おもちゃの赤いタンバリン カシャ…と手に取り 鳴らしたきみの揺れる髪 何度も聞いたことのある旋律きみと読み合わせていた本は 175ページまで読み終わったところで お互い「子供の頃の話」になったキャンドルホルダーの 小さな光の…

カセットテープ

桜咲く正門を過ぎて この校庭を見渡すと あちこちから きみの息づかいが 聴こえてくるそして あの曲が聴こえてくる全力で走り抜けた トラックには 力強い足跡 ひらひらとたなびく ハチマキ昼休み バスケットコートで きみの真剣な眼差しを この木陰から眺め…

無題

きみの感情を覗いてみた いつもは聞き上手で 自らを語らないきみのそれは既に砕け散り かけらは海の底に 突き刺さっていた苦しみ?痛み? 取り除く薬はあるのに なんで飲もうとしないんだよこの苦しみから 解放されたいけど そうしたらまた 生きていかなきゃ…

スマホ脳過労

スマホから繋がるものは 全て消去した 「ところで、あなたは大切な人の 携帯番号を覚えていますか?」 (覚えています) と答えることは この脳科学の先生にとっては 不利なのかも知れないが (覚えています)

感情の無い声

孤独な日の夜 誰かに助けてほしいのに ピシャッと 閉まる私のシャッター「活気溢れるお店に 人は集まるものです 悲しそうなオーナーのお店には 誰も来てくれません」そう思い込んでいるから 声に感情を表さない 癖がついたそうか、と笑って空を見ると 重たそ…

きみがいなくなって

きみがいなくなって 僕はよく笑うようになったよ よく喋るようにもなったあの時きみはどんな魔法を 使っていたんだろうね ただ隣にいるだけで 楽しかったな笑わなくても 話をしなくてもねもしどこかできみが 笑ってる俺をみかけたら (幸せなんだ) って思って…

Your clothes

When you lived in my town, you wore clothes of the linenI make my new clothes with linenI cut a line to trace in the morning and I step on a sewing machineBecause I can meet you tonightSlowly,slowly,slowlyI control a feeling I step on an…

Drawing

薄い青のセロファンに きみのラインを描く 金木犀の香りが嫌いなきみの けだるいような横顔も猫背の小さな背中に 大きな大きな羽を描いた 気の利いた言葉をかけられない 僕のたったひとつの想いDon't worry,You are not aloneセロファンを空にかざすと 大き…

恋する生き物

既に彼の中で、リネン素材は 流行り廃れていたようだが 「お前にしてはまともな格好だな」 と言ってくれた生活感のない部屋で 口にしたのはシンプルなパスタと 生ぬるい紅茶に フルーツどっさり夜は暖のとれない 薄い毛布を1枚借してくれて ウォン・カーウァ…

私のしるし

この部屋の小さな窓から 歓楽街のネオンの光が 差し込む頃 彼は帰ってきてくれます私がちゃんとしていれば 温かくて美味しいごはんを 食べさせてくれるし 私が好きな本を 綺麗な声で読んでくれます私はこの幸せを 誰かに伝えたいのですが そうすると もう会…

第2水曜日

幼い日 祖父の家の庭で こっそり焚き火をして叱られた 焚き火の残り香と幼い罪悪感 こんな寒い日はあの匂いを思い出す2年前あなたからもらった ぽってりとした 厚みのあるマグカップ さすがにもう、 この手から離さなければ と思ったでも粉々に割ったりする…

緊急停止、緑ノ岳にて

放り出されるように飛び出し 帰り道を思い出す 荷物はふわふわと浮き 何処かへ行ってしまった彼女の死相が透明な椅子に映り 歪んだ顔を蛍光灯の光が照らす現実にいる人やものが 微睡みの中で怪しく戯れる 隣で本を読んでいた 白いワンピースの女が 突然私の…

ジグソーパズル

壊れたように体を震わせて 僕の胸で泣いている 何か声をかけるべきか ただ黙って抱きしめるべきか呼吸が早い ゆっくりゆっくり きみの肩をトン、、トン、、 手をそっと置くように ゆっくりとリズムを刻む呼吸を整えて 息をゆっくり吸って吐いて バラバラにな…

ファッション

体育から帰ってきたら 制服のスカートがジャキジャキに 切ってあったんだ着れないこともないから それもアリかなと 履いてみた糸がどんどんでてきて ふくらはぎが痒くなったけど それもアリかなと 家路についた今日の夕方、どこかの町で 女子高生がレイプさ…

再会

長く延びる糸と糸 色は赤か或いは白か そっと引いてみたものの いつの間に絡んでしまった一つ一つ丁寧にほどくか 無理に引っ張り固結びになるか 千切れるのか鋏があるよ 切ってしまえばいいよ 先に切られるのが怖いから 此方から先に切る パツンと切られてだ…

温度

喉に大きな球体が詰まっていて こころが凍りついているみたい 誰か、誰か、温度を頂戴 溶かして涙にしてください背中に大きな球体を背負わされて からだが沈んでいくみたい 誰か、誰か、風を頂戴 せめて海辺に流れ着きたい泣かない子供 いい子なんかじゃない…

月明かりもない夜

「海が見たい」って言うから 真っ黒い浜辺を一緒に歩いた 波打ち際に突然座り込み 「ここから動かない そのうちいなくなるから」 とか言い出すきみ「どっちが先に立ち上がってしまうか 競争しよう」 僕はできるだけ無邪気に 言うつもりだったのに 言葉にした…

臨床心理士

新しい職場にある電話は 思ったとおりの番号が押せない 2,3,5…*a,d ヲ…2,3,5,9,ニ…理解不能な文字で綴られた 業務マニュアル モノクロの同僚達今度こそ社会人として 上手くやろうと思っていたが 敢えなく挫折し 学校生活をやり直すことにした田園沿いの通学路…

黄信号

夏の終わり 自分の中の信号が 黄色に変わる今年は大丈夫だろうと 思っていても、あともう少しで 赤に変わる。ちゃんと止まるんだ 黄信号に気づいたときに。 何かに轢かれる前に。

キャラ

ドラマで死刑囚だった俳優が 今度はコミカルな教師役だったが 死刑囚キャラがまだ残ってるので まだ頭に入らない自分のキャラもまだ確立していないが、 物静かにただそこにいる感じが 自分では楽だ私に会う99%は私ではない 私すら知らない

クロスワード

キシリトールと湿布の匂いが 立ち込める寝室で クロスワードをしているいくつかわからなくても 答えが出たので やめてもいいんだけど解けないカギの答え そのままでいいのか悩む僕の人生そのもの

アカシジア

体のなかで虫が動いている ただ歩く歩く こんなに疲れているのに ずっと寝ていない 眠ると脳裏に虫がわきそう食べ物を食べることができない 食べるために座ることができない じっとしていると 体の中の虫に食われてしまいそうだ

生活感

便箋に手紙を書く 切手で手紙を送るATMに並ぶ 振り込みしまくる人 下ろすだけの人肉屋で肉を買う 現金で買う子供に書き置きを残す PTAに参加するクリーニングのおばちゃんとの会話 憂鬱だったのに楽しい気分で店を出る生きているなぁと思う。 自宅でネットや…

今やらなければならないことを きちんとやろう。 不安や悩みは可視化して、 予定に組み入れる。 それで、今日悩まなくていいことは もう考えない

優しさ

私がいつまでもかなしみに 暮れているから 一緒に泣くのを止めてくれたんだね突き放したのは 私を悲しみから救うためで 優しさだったんだ。見ていてくれたんだ 遠い場所で。 私の知らないところで。あなたの選んだものは、 もう私のそばにもうないけど探して…

ピルケース

いつものように 別れ際にキスをして 今日もその後の 言葉が見つからない。きみにとらわれすぎて きみを失いたくなかった。カラカラカラ… 力なく振るきみの ピルケースの中で薬が踊る。「僕がきみの…」その続きを言う勇気がなかったきみもぼんやりとした目で …

余生

僕が独りになったら、 あの島で見つけた小さな家を買って ほんの少しの間でも きみと余生を過ごせたらと思う。きみも僕もずっと年を取って お互い精一杯生きた晴れた日は手を繋いで 砂浜を歩こう。 雨の日はきみの膝枕で あの小説を読んであげる。いつか話し…

失意のどん底

本当に悩んでるとき、 本気で誰かに相談しても 受け入れてもらえないのは 何故だろう上手く表現できてないから? 暗すぎて受け入れられないから?少し落ち着いてきた頃 声かけられたりするんだけど どん底のとき助けてほしかったよたった今失意のどん底真っ…