感情の無い声

孤独な日の夜
誰かに助けてほしいのに
ピシャッと
閉まる私のシャッター

「活気溢れるお店に
人は集まるものです
悲しそうなオーナーのお店には
誰も来てくれません」

そう思い込んでいるから
声に感情を表さない
癖がついた

そうか、と笑って空を見ると
重たそうな低い曇り空が
少し茜色に染まっている

人も音楽もスマホもないところで

からっぽになりたい

この町には活火山があり
灰を降らせる日もある

こんな顔で家に帰っても
「目に灰が入って…」
なんて理由もリアルに通じる

助手席には夕食の材料があって
みんな待っているけど
もう少しこのままで居させてね
ちゃんとおうちに帰るからね