Your clothes

When you lived in my town, you wore clothes of the linen

I make my new clothes with linen

I cut a line to trace in the morning and I step on a sewing machine

Because I can meet you tonight

Slowly,slowly,slowly

I control a feeling
I step on an armhole with a sewing machine slowly

Many colorful buttons
Enough wet steam iron
My new clothes are completed

I wear your fragrance and I turn around

My new clothes,
Your favorite clothes

I had a trunk and opened a door

Drawing

薄い青のセロファン
きみのラインを描く
金木犀の香りが嫌いなきみの
けだるいような横顔も

猫背の小さな背中に
大きな大きな羽を描いた
気の利いた言葉をかけられない
僕のたったひとつの想い

Don't worry,You are not alone

セロファンを空にかざすと
大きな羽は
ほんのり雲となって
きみのラインが
ぼんやりと浮かんだ


羽なんかいらなかったのか


僕はまだ眠っているきみを
後ろから抱きしめた

恋する生き物

既に彼の中で、リネン素材は
流行り廃れていたようだが
「お前にしてはまともな格好だな」
と言ってくれた

生活感のない部屋で
口にしたのはシンプルなパスタと
生ぬるい紅茶に
フルーツどっさり

夜は暖のとれない
薄い毛布を1枚借してくれて
ウォン・カーウァイ
映画を一緒に見た

「殺し屋に恋するなんてね」

「俺が女なら惚れるね」

「えー、いつか殺されそうじゃん」

「人は殺し合う生き物だよ」



「……モウのアイスクリーム食べたいな」

と映画に目を戻しながらも、
(……泣くな……)
と堪えていた

そして
いつか「死ぬ」なら
この人に殺してほしいと思える
女になりたかった

次の日の昼
駅近くのレコード店
すました女の子のジャケットを
見つけたので、試しに聴いてみた

♪新しい服着て~あなた所へいくの~

「小島真由美…聞いたことないな」

ジャケットを見つめる彼の側で
この曲が聞こえているのは
ヘッドフォンしている私だけだ

♪Am、E、Em、D、Dm、C、Dm7、G7、C

メロディー、せつな。。
…泣くな……

(こんなところで泣かれたら困るよ)

そういうに決まってるし、
今日私は自分の町へ帰るのだ

彼の彼女なら
泣いたりしない
行きより重いトランク持って
駅へと向かった

私のしるし

この部屋の小さな窓から
歓楽街のネオンの光が
差し込む頃
彼は帰ってきてくれます

私がちゃんとしていれば
温かくて美味しいごはんを
食べさせてくれるし
私が好きな本を
綺麗な声で読んでくれます

私はこの幸せを
誰かに伝えたいのですが
そうすると
もう会えないんだそうで
昼の 孤独な時間はひたすら
彼との思い出に浸るのです

彼の匂いに包まれれば
たちまち深い眠りに落ち
すぐに朝となりました
私のからだには
しるしがひとつ

日にちが経って
消えてしまっても
次の日の朝には
また違うところに
しるしがひとつ

ひとつ、ふたつと
数えていくうちに
わたしは眠っていることが
多くなっていました
おいしいごはんも
すきなほんもいらなくて






目覚めると
私は白い部屋にいました
彼の姿はなく
私のしるしも
全て消えていました

彼の匂いもない
この白い部屋で
私のしるしはただの痛みで
残すことに何の価値もなかった

私は何もわかっていなかった

あの部屋で気づかないうちに
彼は私を縛っていたのだ
何も感じないくらいゆっくりと

第2水曜日

幼い日
祖父の家の庭で
こっそり焚き火をして叱られた
焚き火の残り香と幼い罪悪感
こんな寒い日はあの匂いを思い出す

2年前あなたからもらった
ぽってりとした
厚みのあるマグカップ
さすがにもう、
この手から離さなければ
と思った

でも

粉々に割ったりするのは、愛だ
そんなものはもうないから


「燃やせないゴミ」の日に
そっと置いた
温かい珈琲が
入っているかように


手から離したとき
体から血の気が引くような
感覚に襲われたけど


(それは愛だよ)

マグカップに言われたような気がした

緊急停止、緑ノ岳にて

放り出されるように飛び出し
帰り道を思い出す
荷物はふわふわと浮き
何処かへ行ってしまった

彼女の死相が透明な椅子に映り
歪んだ顔を蛍光灯の光が照らす

現実にいる人やものが
微睡みの中で怪しく戯れる
隣で本を読んでいた
白いワンピースの女が
突然私の目を覆い隠す

私の声だけが
リアルに響きわたり
心臓の音は
大音量で鳴り響く

暗闇の中
スマホの光が
命取りになるので
この苦しみを
呟くこともできずに

朝になるのを
ただ待っていた

耳を塞いでも
聞こえてくるサイレンの音
これは誰へのメッセージ?
誰もが自分に向けられてるなんて
思ってないだろう。
初めて聴く音に
回りを見渡すこともなく
俯き直ぐにTwitter

温かいキャラメルラテ
あなたに「どうぞ」
と勧める夢で目が覚めた

一斉に揺れ出す吊り輪
わずかな微動も逃さず
完璧な集団行動

それまで語られていた
悲惨なストーリーが現実に戻り
規則正しいリズムが刻まれていく